ナデシコカクレエビ
Periclimenes sarasvati Okuno, 2002
Original name : Periclimenes sarasvati

生息分布 / 西部太平洋(八丈島、和歌山以南〜沖縄〜フィリピン、インドネシア)

標準和名 : ナデシコカクレエビ
英   名 : クリーナーシュリンプ Cleaner shrimp
流 通 名 : ナデシコカクレエビ

  

   

 以前から、ニセアカホシカクレエビ Periclimenes venustus Bruce, 1990 の混じりでアクアリウムシーンでも流通していたホンカクレエビ属Genus Periclimenes )のテナガエビFamily Palaemonidae )。
最近やっと別種として記載され、標準和名も付いた。

 ホンカクレエビ属Genus Periclimenesテナガエビ科Family Palaemonidaeの中で最も種類の多い属である。
これは、研究者が分類が良く解からないテナガエビFamily Palaemonidaeを皆ホンカクレエビ属Genus Periclimenesとしてしまっているからに他ならない。
 本種はホンカクレエビ属Genus Periclimenesの中でもアエソピウス近似種Periclimenes aesopius Species Group と呼ばれる、特徴の似た種を集めたグループに振り分けられている。

 体色は、他のアエソピウス近似種
Periclimenes aesopius Species Group )が殆ど無色なのに対し、本種はやや赤紫色がかった半透明で非常に美しい。
 頭胸甲と第2腹節の上面に、白地に赤紫色で縁取られた斑紋が入り、花弁を散りばめたようで更に美しさを際立たせている。
 第3腹節の頂には、V字に見える紫色の紋があり、白紋、その後ろにもう1本紫色のラインが入る。
紫色が、まるで撫子の花のような色彩だ。

 種小名 " sarasvati " は梵語の " サラスバティー " (弁財天)の事。
ニセアカホシカクレエビ Periclimenes venustusの種小名 "
venustus " ( " 秀麗な " と言う意味だが、語源は美を司るギリシァ神話の女神 " venus " の事。)に対する、命名者である奥野淳兒先生の遊び心であろう。

 眼球は白地にピンクの模様が入り、可愛らしい。
 第一鉗脚、第二鉗脚は白地に紫色の帯が入る。

 主にウンバチイソギンチャク Phyllodiscus semoni Kwietniewski, 1897 やイシサンゴ類の
ナガレハナサンゴ Euphyllia ancora Veron & Pichon, 1980 の中で見られ、ニセアカホシカクレエビ Periclimenes venustus に混じっていることが多い。
 沖縄では
ニセアカホシカクレエビ Periclimenes venustus よりも本種の方が生息数が多いとも言われている。

 海外サイトや書籍等ではしばしば、本種が同属の
ホルトハウシ・シュリンプ Periclimenes holthuisi Bruce, 1969 トサカクレエビ 
Periclimenes tosaensis Kubo, 1951 として紹介されていることがあるので、間違えないようにしたい。

 以前は殆ど商業ルートに載ることは無かったが、最近はそこそこ見かける機会が増えたので、入手は容易になった。