水深70m〜200m付近にかけて生息する深海生息種のヒメヨコバサミ属(Genus Paguristes
)のヤドカリ。
元々1892年にOrtmannが記載した " Paguristes kagoshimensis " に " カゴシマヒメヨコバサミ " の和名が宛てられていたが、その後の精査で " Paguristes kagoshimensis " 種はヤスリヒメヨコバサミ Paguristes digitalis Stimpson, 1858 のSynonymであることが解かり " Paguristes kagoshimensis " と言う学名は無くなった。
その後、2001年に千葉県立中央博物館の駒井智幸先生が本種を記載する際、 " カゴシマヒメヨコバサミ " の和名を提唱した。
種小名 " versus " は " 相対した " の意。
同属のトゲヒメヨコバサミ Paguristes acanthomerus Ortmann, 1892 に良く似ており、混乱し易い。
トゲヒメヨコバサミ Paguristes acanthomerus は眼柄が第1触角よりも長く伸長するのに対し、本種の眼柄はそれほど長くはない。
眼柄の色彩に特徴があり、真っ赤な地色に白いラインが2本入る。
歩脚や鉗脚は朱色。
鉗脚には細かい棘が入る。
宿貝にはヤツマタスナギンチャク Epizoanthus ramosus Carlgren, 1936 等の小型イソギンチャクを付着させ、外敵から身を守る。
これらのイソギンチャク類は、水槽飼育では徐々に衰退してしまう。
水槽飼育では、歩脚や鉗脚の色彩が褪色し易く、色の維持が難しい。
恐らく、水温かライティングの影響だと思われる。
深海生息種なので、紫外線には弱く、照明には工夫が必要。
また高水温にも弱いので注意する。
基本的に商業ルートに載ることは殆ど無いが、稀に底引き網にかかった個体が水揚げされ、食用外魚として廃棄されるものがショップに入荷することもある。
ちなみに写真の個体は高知で海老刺し網にかかっていたもの。
入手は困難だと言える。
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