大西洋、オランダ領小アンチル諸島からフロリダキーズ、バハマにかけての海域に分布するハナスズキ属(Genus Liopropoma )の小型ハタ(Family Serranidae
)。
元々、Liopropoma属の小型ハタ(Family Serranidae
)は生息深度が深い種が多いのだが、本種は特に深いところに生息しており、生息深度は20〜100mに達する。 故に採取は非常に困難。
自然下では小さな海底洞窟や岩盤の裂け目をシェルターとして単独またはペアで棲み、小さな甲殻類等を食べている。 成魚は最大で9cm程に成長する。
体色は橙色で青紫色の縦縞が入り、大変美しい。 状態良く飼い込む事で橙色の体色の赤味が増し、ブルーの縞模様とのコントラストがはっきりしてくるのでより美しくなる。 また、照明焼けする事もないので、SPS飼育のInvertebrates
tankで飼育される事が多い。 体の模様は同属のスイスガードバスレット Liopropoma rubre Poey, 1861
に似るが、本種の方が体色は遥かに鮮やか。 体型的には、本種の方が幾分寸詰まりな印象を受ける。 また、太平洋には "
パシフィック・キャンディー・バスレット " と呼ばれるオレンジストライプバスレット Liopropoma
swalesi (Fowler & Bean, 1930
) と言う種も居る。 " Candy
basslet " の名前は欧米の杖状飴菓子、" キャンディーケイン " に由来する。
魚の英名で、ストライプ模様の魚に " キャンディー "
の名を冠されている種は非常に多い。
種小名はアンチル諸島にあるカリブ海洋生物研究所(Caribbean Marine Biology-station )への献名で " Car-Ma-Bi "
とされた。 採取される個体数が少なく入荷は稀なので価格も高価だが、人気は高い。 最近はオランダ領小アンチル諸島のキュラーソ島やボナイル島周辺で採取された個体が入荷することが多いが、これは小アンチル諸島周辺海域は海底地形が複雑なため、他地域よりも本種の生息深度が浅いので状態良い個体が得られるからだ。 稀にブラジル便で
" Red-candy "
の名で赤味の強い個体が輸入されるが、婚姻色が出た雄の個体ではないか?と思われる。
餌付けには全く苦労はなく飼育は容易だが、水槽導入時には白点病に罹りやすいので注意が必要である。 水槽内を複雑なレイアウトにしてあげた方が落ち着くようだ。 ハタ科(Family Serranidae
)の魚なので、小さな甲殻類や口に入るくらいの小魚は捕食してしまう。 身の丈の合わない大きな生体を食べてしまい、窒息死、或いは消化不良を起こして死んでしまう事もあるので、タンクメイトは吟味した方が良いだろう。 同属他種とは激しく闘争するので注意が必要。 特筆すべきは同種間では争うことはない点で、タイミングを見計らえばペア、またはそれ以上の複数飼育も可能だ。
但し、一旦ペアが形成されてしまうとペア以外の同種と闘争を始めるので注意する事。
|