イソヨコバサミ
Clibanarius virescens Krauss, 1843
Original name : Pagurus virescens

生息分布 /西部太平洋〜インド洋(房総以南〜和歌山〜沖縄、台湾、フィリピン、インドネシア、北マリアナ諸島、グアム島、オーストラリア、フィージー、ケニア、ソマリア、セーシェル諸島、南アフリカ等)

標準和名 : イソヨコバサミ
英   名 : イエローフッテッド・ハーミットクラブ 
Yellow-footed hermit-crab
         イエローバンデッド・ハーミットクラブ 
Yellow-banded hermit crab
流 通 名 : イソヨコバサミ


   

 西部太平洋からインド洋にかけて広範囲に分布するヨコバサミ属Genus Clibanarius )のヤドカリ。
 日本でも、関東以南で極普通に見る事ができる。
但し、沖縄ではやや少ない。

 サンゴ礁域のタイドプールから水深
15m以浅の潮間帯で見られる。
 砂混じり転石帯やの岩の下等で見られる普通種で、タイドプールの上位優占種であるため、色彩的に近いホンヤドカリ Pagurus filholi De man, 1888 )と間違われてしまうことも多い。
 ホンヤドカリ Pagurus filholiホンヤドカリ上科Superfamily Paguridea )なので右鉗脚が大きいが、本種はヤドカリ上科Superfamily Coenobitoidea )、しかもヨコバサミ属Genus Clibanarius )なので、左右の鉗脚の大きさはほぼ同じである。
またホンヤドカリ Pagurus filholi ホンヤドカリ科Family Paguridae )の特徴として、眼球が楕円形でやや飛び出した印象になるのに対し、本種にはそれがないので区別は付くだろう。

 鉗脚は暗色で淡黄色の斑紋が散在する。
また細かい棘があり、細い体毛で覆われる。
 歩脚は緑色で細かい体毛に覆われる。
歩脚指節は黄色がかった乳白色になる。
ここから、英名では " Yellow-footed hermit-crab " 、 " Yellow-banded hermit crab " と呼ばれる。
 眼柄は歩脚と同色だが、先端部はやや赤味がかる。
 最も本種の特徴として挙げられるのが第2触角の色彩で、鮮やかな青色をしている。
 幼稚体のうちは歩脚の色彩が白色で別種と見間違うほどだが、小さくても第2触角の青色で判別できる。

 種小名 " virescens " は " 淡緑色の " と言う意で、歩脚の色彩に因んだもの。

 日本では、房総や三浦に生息する個体の歩脚は青味が強いが、和歌山以南では完全に緑色になる。
この色彩変異が食べ物によるものなのか、水温によるものなのかは不明だが、青味がかった個体も水槽飼育しているうちに緑色になってしまう。

 宿貝にはアマオブネガイ科
Family Neritidae )やアクキガイ科Family Muricidae )の他、選り好みせずに色々な貝殻を利用する。

 食性は雑食性で、藻類から魚や小動物の死骸まで何でも良く食べる。
水槽の藻類の掃除役としてはかなり優秀だ。
 商業ルートに載ることは少ないが、普通に採取できるので採取してきた方が早いだろう。