週刊ベルリン通信                              
 ■ 2006年5月28日号 (5月22日−5月28日)

 " 週刊 " と銘を打っておきながら、全く更新してないこのページ。 (;´Д`A```
近況報告も兼ねて、偶には更新してみようか?と思う。

以前、「
ウチの水槽のコンセプトは、SPS満載の水槽に大型ヤッコCentropyge達を主役として泳がせ、その周りをリオプロポマGenus Liopropoma )やプセウドアンティアスGenus PseudanthiasイトヒキベラGenus Cirrhilabrus )が群れを成す・・・と言うものと書いたが、中々思うようにはならない。

どうも
イトヒキベラGenus Cirrhilabrus )を始めとしたベラ類Family Labridae )が次々と飛び出し事故を起こしてしまうのだ。
勿論、そのリスクは充分理解して購入、飼育しているのだが、あまりにも酷い。
特に先月は頻発し過ぎた。
最初にロージースケールフェアリーラス Cirrhilabrus rubrisquamis Randall & Emery, 1983 が水槽裏側で半乾き状態で発見された。
半乾き状態だったので、飛び出して1時間くらいしか経っては居ないだろう・・・が、しかし完全に息絶えていた。
更に、翌日。
深夜、仕事を終え帰宅すると、ウチの嫁が言い出した。
「昼間買い物から帰って来たら、家の中が臭いのよ。 何か臭わない?」
「は? どんな臭い?」
「何ていうか・・・干物の臭い?」
「!! マジで!?」

慌ててイトヒキベラGenus Cirrhilabrus の点呼をする。
ローンボイドフェアリーラス Cirrhilabrus rhomboidalis Randall, 1988 も居るし、ピンテールフェアリーラス Cirrhilabrus sp. も居る。
ソロールフェアリーラス Cirrhilabrus solorensis Bleeker,1853 も雄・雌共に居るし・・・イエローラインスレンダーフォグフィッシュ Terelabrus sp. も居るなぁ・・・。
!!
居ない奴が居た!
ラインドフェアリーラス Cirrhilabrus lineatus Randall & Lubbock, 1982 だ!!
このラインドフェアリーラス Cirrhilabrus lineatus は体長
13cmくらいあるので、大き過ぎて逆に目に入らなかったのだ。
こういう時、人はついつい小さな個体から確認してしまうものなのだ。
慌てて探すと、ソファの下からラインドフェアリーラス Cirrhilabrus lineatus のカラカラに乾いた死骸が見つかった。
物凄い埃まみれである。
飛び出した後、相当暴れたのだろう。
体長も大きく、その日の気温が高かった事もあり、やはり臭いを発していたのはこれだった。
更に翌日。
台所に居たウチの嫁が悲鳴を上げる。
何事かと思って駆けつけると、飛び出していた魚を踏んでしまったらしい。(´・ω・`)ショボーン
確認するとソロールフェアリーラス Cirrhilabrus solorensis の雌であった。
こいつは半乾きで、まだ身体も柔らかいから飛び出して1時間くらいだろうか?
しかし、完全に事切れていた。
何と言うことか!? 3日続けて魚が飛び出すとは・・・こんな事は今まであまり無いぞ。 (>_<)
更に数日後、残っていたソロールフェアリーラス Cirrhilabrus solorensis の雄も飛び出していた。
今度は、水槽向かって左側の壁との僅かな隙間である。
やはり、相当暴れ回ったらしく、埃まみれだった。
続く時は続くものだ。
これで残ったベラ類Family Labridae )は、ローンボイドフェアリーラス Cirrhilabrus rhomboidalisピンテールフェアリーラス Cirrhilabrus sp.イエローラインスレンダーフォグフィッシュ Terelabrus sp. の3匹だけになってしまった。
偶然ではあるが、大切に思っていた3匹が残ってくれたのが救いか。
と思っていると、今週の火曜日。
帰宅して、給餌するか・・・と水槽を覗きこむと、イエローラインスレンダーフォグフィッシュ Terelabrus sp. が居ない事に気づいた。
昨晩の給餌の時は、確認している。
餌喰いの良いイエローラインスレンダーフォグフィッシュ Terelabrus sp. が出てこないと言う事は・・・。
水槽回りをチャックすると、前回のソロールフェアリーラス Cirrhilabrus solorensis の雄同様、水槽左側と壁との僅かな隙間からイエローラインスレンダーフォグフィッシュ Terelabrus sp. の変わり果てた姿を見つけてしまった。(;´Д`A```
 ← カラカラに乾いて、誇りまみれ。
やはり飛び出し後、相当暴れたものと思われる。
乾いて目玉が凹んでいるので、かなり時間が経っているだろう。
昨晩、深夜辺りか?
このイエローラインスレンダーフォグフィッシュ Terelabrus sp. が飛び出し死した事は結構応えた。
ここ1年くらい入荷がストップしている魚だからだ。
次回、何時入手できるか解からないし、この個体はベタ馴れしていて、手から直接餌を食べていたし・・・。
と落ち込んでいたら、今週は数店に入荷があったようだ。
早速入荷リストに載っていた  に行ってみると・・・をを!極小さいサイズの個体が入荷しているじゃん。
2秒ほど迷ったが、購入を決意。
大きさ
5cmほどでヒバシヨウジ Doryhamphus excisus excisus Kaup, 1856ハシナガウバウオ Diademichthys lineatus (Sauvage, 1883と見間違うくらいの大きさ。
この大きさにやられた。
飛び出し死した個体は
10cmオーバーの中成熟個体だったから、半分以下の大きさなのだ。
多くのアクアリストが幼魚に目が無いのと同様、僕もそうなのである。
 ← 今回購入した個体。
小さい個体の方が、やや色鮮やかなようだ。
現在は隔離ケースで隔離中。
来週、魚飛び出し防止策を講じる予定なので、それまではこのまま隔離しておく。
なにせ、去年購入したイエローラインスレンダーフォグフィッシュ Terelabrus sp. を水槽投入後半日で飛び出し死させてしまった前科があるので、慎重を重ねる事とする。
隔離ケースにシュアーを落としてみると、流石はベラFamily Labridaeだ。
餌喰いには全く問題がない。

テーマに沿って追加済みの魚。
まず最初に入れたのはアサヒハナゴイ Pseudanthias flavoguttatus Katayama & Masuda, 1980
5匹入れてみた。
ところが、予想はしていたのだがゴールデンストライプドアンティアス Pseudanthias aurulentus Randall & McCosker, 1982 の攻撃が物凄い。
同じミロラブリクティス亜属Subgenus Mirolabrichys )の上に、近似種だから仕方ないか?
H崎さんのお宅では、全く逆の立場らしい。
ちなみにウチのゴールデンストライプドアンティアス Pseudanthias aurulentus は既に大きさも
9cmくらいになっている。
背鰭第3棘と尾鰭の両端が異様に伸長しているので、完全な雄。
物怖じせずに餌を食べるので、丸々している。
最終的にアサヒハナゴイ Pseudanthias flavoguttatus は1匹しか残らなかった。
この個体は、やや小さめな雌だと思われる個体なのだが、精神的にタフだっただろう。
追われても追われても、負けずに出てくる。
餌喰いも良いので生き延びられたのだと思う。
その後ベントラリス Pseudanthias ventralis Rndall, 1979 も5匹投入している。
こちらはプセウドアンティアス亜属Subgenus Pseudanthias )だからかアサヒハナゴイ Pseudanthias flavoguttatus ほど酷くはゴールデンストライプドアンティアス Pseudanthias aurulentus に追いかけられない。
(勿論、ある程度は追いかけているが・・・。)
早々にシュアーも食べるようになり、5匹とも健在。
やはりハギ類Family Acanthuridae )を出したので、巧くいっているのだと思われる。
調子が良いので、あと10匹くらいは追加したいなぁと考えている。
逆にゴールデンストライプドアンティアス Pseudanthias aurulentus が居るおかげでベントラリス Pseudanthias ventralis 同士も闘争が起きていない。
タンクメイトと言うのは、どう転ぶか解からないものだ。

次に、当初のテーマには沿っていないが入れている魚。
Web-logを読んでいる方は御存知だろう。
チョウチョウウオ
Family Chaetodontidae )を追加している。
第5号某氏のお宅でマルセラバタフライフィッシュ Prognathodes marcellae Poll, 1950を見てから、どうしてもプログナトデス属Genus Prognathodes )のチョウチョウウオFamily Chaetodontidae を飼育したくなった。
そこでも書いた通り、アヤバンクバタフライフィッシュ Prognathodes aya Jordan, 1886 ))を探していたのだが、GW前に数店にアヤ Prognathodes ayaの入荷があったので、飛びついた訳だ。
プログナトデス属Genus Prognathodes )のチョウチョウウオFamily Chaetodontidae
10cmオーバーの大きな個体が入荷する事も多いのだが、購入した個体は7cmほどのグッドサイズ。
このサイズは一般種のチョウチョウウオFamily Chaetodontidae でも最もショップでの扱いが多い大きさである。
大き過ぎず、小さ過ぎず、餌付け、病気、喧嘩、どの観点から見ても飼育し易いサイズと言えよう。
 ← これが投入したアヤ Prognathodes aya
背鰭を立てた様は非常に格好良いので写真撮影を狙ったが、中々巧く撮れない。 (´・ω・`)ショボーン
喧嘩も心配したが、最初にマルチカラーエンゼルフィッシュ Centropyge multicolor Randall & Wass, 1974 が背鰭を広げ、身体の大きさ比べに来たが、背鰭を立てたアヤ Prognathodes aya の体高があったためか、以降全く気にも留めない。
餌喰いも良いし、かなり気を良くした。
考えてみれば、僕がチョウチョウウオFamily Chaetodontidae を飼育するのは5年振りだ。
ちなみに最後に飼育していたのはインディアンバタフライフィッシュ 
Roaops mitratu Gunther, 1860
気を良くしたついでにロア属
Genus Roaops )のチョウチョウウオFamily Chaetodontidae も久々に飼育したくなってきた。
丁度  で小さ目のマルケサンバタフライフィッシュ
 Roaops declivis Randall, 1975がリストに載っていた。
実物を見に行くと・・・をを! ち、小さい!!
なんと、大きさ
4cmほどである。
所謂、磯採取における、" 豆チョウ " サイズ。
気づくと、海水の入った袋をぶら下げていた。
 ← これが豆チョウサイズのマルケサンバタフライフィッシュ Roaops declivis
何も考えずに温度合わせだけしてポチャン。
するとそこにはマルチカラーエンゼルフィッシュ Centropyge multicolorレスプレンデンス・ピグミーエンゼルフィッシュ Centropyge resplendens Lubbock & Sankey, 1975インドカエルウオ Atrosalarias fuscus Ruppell, 1838 に依る
ジェットストリームアタックが待っていた。(´・ω・`)ショボーン
今から10年以上前、チョウチョウウオ類Family Chaetodontidae を中心に飼育していた頃、チョウチョウウオFamily Chaetodontidae 同士の猛烈な喧嘩を目の当たりにしていたので、投入前はアヤ Prognathodes aya の行動に注意していたのだが、大きさが違い過ぎるからか、全く無視。
代わりに上記3種が激しい攻撃をしかけてきた。
まぁマルチカラーエンゼルフィッシュ Centropyge multicolor はベースの色彩が白色で似ているから仕方ないかも知れないが・・・レスプレンデンス・ピグミーエンゼルフィッシュ Centropyge resplendens までアタックして来るとは。
この2種が追い掛け回し、マルケサンバタフライフィッシュ Roaops declivis が岩陰に逃げ込むと、岩陰からインドカエルウオ Atrosalarias fuscus が飛び出してきてトドメを刺す感じ。
30分後にはマルケサンバタフライフィッシュ Roaops declivis の尾鰭はボロボロ、身体側には噛み付かれた痕に血が滲んでしまった。
半分イジケ出し、このまま放置していたら確実に落ちてしまうだろう。
マルケサンバタフライフィッシュ Roaops declivis を捕まえ、一旦隔離しようと捕獲を試みるが、失敗。
警戒心を増し、捕獲は不可能となった。
もうどうして良いのかパニクり、何を思ったのか水槽に20cm角程の鏡を立てかけてみた。
すると、これが思った以上に奏を効し、マルチカラーエンゼルフィッシュ Centropyge multicolor レスプレンデンス・ピグミーエンゼルフィッシュ Centropyge resplendens は鏡に張り付き放しになってくれた。
鏡に映った己が姿を同種がテリトリーに侵入して来たと思い込み、鏡に向かって攻撃を始めたのだ!
お陰でマルケサンバタフライフィッシュ Roaops declivis には目もくれなくなった。
岩陰に逃げ込まなくても大丈夫なのでインドカエルウオ Atrosalarias fuscus も攻撃しなくなった。
マルケサンバタフライフィッシュ
 Roaops declivis は正に悠々と水槽内を泳げるようになったのだ。
最終的に2時間ほど鏡を立てかけておいた。
この作戦、かなり使えるのではないだろうか?

雑誌や専門誌に書いてない水槽テクニックシリーズ 1
混泳時にを使用すると闘争が和らぐ。


この2種のチョウチョウウオFamily Chaetodontidae だが
SPSに悪戯することも食害することもなく、中々良い具合。
以前、やはりロア属Genus Roaopsインディアンバタフライフィッシュ Roaops mitratu をサンゴ水槽に入れていた時もSPSを始めとしたサンゴ類にチョッカイを出す事が無かったので、心配はしていなかったが。
但し、当時もオオバナサンゴ Trachyphyllia geaffroyi Audouin, 1826コハナガタサンゴ Cynarina lacrymalis Milne-Edwards & Haime, 1848 は片っ端から喰われたので、これらプヨプヨ系
LPSとの同居はできない。
ウチの本水槽には現在、これらのサンゴは入ってないのだが、唯一フィジー産のクダサンゴ Tubipora musica Linnaeus, 1758 だけは食害される可能性があるなぁと思っていたが、現在まで全く手を出す素振りは無い。
万一クダサンゴ Tubipora musica が食害されるようだったら、
Nano-Aquariumに移動する用意はある。

さて、ウチの水槽のSPSだが、  
雪風さんや  工場長Siteで既に曝されているように、大々的な枝打ちを行い、プチリセットを敢行した。
今更全体写真を載せても仕方ないので、その辺は省く。
去年もGW中にプチリセットを敢行し、サンゴ類を1/3〜1/4くらいの大きさにしたのだが、やはり1年も経つと元通りになってしまう。
それでも数ヶ月に1度、大きくなり過ぎた個体は剪定し、方々へ配っているのだが・・・。
まぁ、年中行事だと思えば良いのだ。
去年は、あちこちの
LRアネモニア Anemonia manjano Carlgren 1900 が繁殖してしまい、かなりの量のLRを処分する羽目になったのだが、何と今年はセイタカイソギンチャク Aiptasia spp. に増殖されてしまった。
おまけにマメスナギンチャク 
Zoanthus sp. に覆い尽くされたLRも多く、やはりかなりの量のLRを交換せざるを得なくなってしまった。
セイタカイソギンチャク Aiptasia spp.を排除するには周知の通り、ペパーミントシュリンプ 
Lysmata wurdemanni Gibbes, 1850 を入れれば済むのだが、ウチにはキャンディーバスレット Liopropoma carmabi Randall, 1963 のペアが居るのでペパーミントシュリンプ Lysmata wurdemanni は捕食されてしまう。
ましてやマメスナギンチャク Zoanthus sp. を食べてくれるナワメグルマガイ類
Genus Heliacus )をピンポイントで入手するのも難しいので、交換と言う手段を取るのが一番早いのだ。
LRを入れ替え、サンゴを枝打ちして小さくして、水槽内に配していった。
現在、アクアボンド結束バンドは一切使用していない。
ここでまた、アクアボンド結束バンドを使用しないLRやサンゴの接着方法を記しておく。

雑誌や専門誌に書いてない水槽テクニックシリーズ 2
LRやサンゴをアクアボンドや結束バンドを使用せず、カイメン類で活着させる。


これは個人的にお奨めな方法。
参考までに幾つか例を載せておく。
 ← ムラサキカイメン 
Haliclona permollis Bowerbank, 1866 を利用した例。
ネシア便で輸入されるムラサキカイメン Haliclona permollisLR同士の接着に使用。
写真では解かり難いが、元々は下側のLRに付いていたものを上側のLRとの間に挟んで置いた。
左上のLRと完全に活着しているのが解かるだろうか?
 ← レモンスポンジ Leucetta chagosensis Dendy, 1913 を利用した例。
小さく千切ったレモンスポンジ Leucetta chagosensis を左右のLRの間に挟んでみた。
左右共にレモンスポンジ Leucetta chagosensis が活着し、動かない。
 ← ブルースポンジ Haliclona sp. を利用した例。
ネシア便で輸入されるブルースポンジ Haliclona sp. LRとサンゴの接着に使用。
左側のLRと上に見える枝打ちしたピンクのハナヤサイサンゴ Pocillopora damicomis Linnaeus, 1758 とがカイメンを介してくっ付いているのが解かるだろうか?
 ← カイメンの1種 
DEMOSPONGIAE sp. を利用した例。
沖縄産の不明種の水色をしたカイメンを使用し、複数のLRをくっ付けてみた。
この種は増殖も早く、接着向き。

いずれの場合も10日ほどで活着している。
見た目にも鮮やかで、天然素材(?)を利用する方法なのでお奨めだ。
自分の水槽で成長している個体を使用すると確実。
ポイントはカイメン類を空気に曝さず、水中で作業すること。

次回は、ベラ類Family Labridaeの飛び出し防護策をテーマにしようと思う。