週刊ベルリン通信                              
 ■ 2006年2月19日号 (2月13日−2月19日)

 
MAの創刊号には、蒼々たる有名アクアリストが載っていた。
例えば、あのマリンアクアリウム界の重鎮  
雪風さん
他には、あのペパーミントエンゼルフィッシュ Paracentropyge boylei Pyle & Randall, 1992 をペアで飼育していた事で有名な
A藤さん
更には、あの
MZCを主催されていた  M田さん
そして、今回お邪魔した
某氏も、そんなMAの創刊号に掲載されていたお一人である

某氏は飼育歴20年オーバーの超ベテランで、関東圏のありとあらゆるショップに出現される。(笑)
かく言う僕も、  や  で何度かお見かけした事はあったのだが、直接知っていた訳ではなかったので、御挨拶した事は無かった。
今回、  雪風さん
H崎さん某氏のお宅にお邪魔すると言うので、同乗させて頂くことになったのだ。
3人は  で待ち合わせされていたので、待ち合わせ後、僕の家に寄って頂いた。
と言うのも、ウチの車が車検に出しているところな上に、代車も借りていなかったので動きが取れなかったからだ。
ついでに、車が無い為車庫は空いているので
H崎さんの車はウチに置いていき、いつもの  雪風さんの車で移動・・・と言う流れになった。
某氏の車に先導して貰い、某氏邸を目指す。
外環草加インター外環に乗り、車で40分程走った某所に某氏邸はあった。
(実際、何処にあったのかさっぱり解からない。)
早速、お宅にお邪魔させて頂く。
まず、お宅に入って直ぐ右側に
SPS水槽があった。
 ← はっきり言って物凄い!
何と言っても水槽サイズが半端ではない。
2200×1000×900と言う、文字通りのメガタンク
サンプも入れれば、恐らく総水量は
3tオーバーだろう。
スキマーには、
HSA3000と言う、物凄い大きさのものが付いている。
更に驚くべきは照明だ。
なんと、
MT-250
17!!
色々試してみて、
MTオンリーが一番色が出たそうだ。
球は全てコーラルグロウだとか。
殺菌灯は
QL-254連結されていた。
この水槽にはチョウチョウウオが居るので、殺菌灯は必須のようだ。
ちなみに、この水槽に泳いでいるチョウチョウウオはこちら。
 ← そう、マルセラバタフライフィッシュ 
Prognathodes marcellae Poll, 1950 だ。
一応知らない方の為に簡単に説明すると、プログナトデス属
Genus Prognathodes )の稀種で、セネガル、ケープヴェルデ〜ギニア湾の東部大西洋にのみ生息している。
要は、アフリカ大陸の大西洋側に分布するチョウチョウウオ。
他のプログナトデス属Genus Prognathodes )同様、水深30m〜150mの深場に生息していて、殆ど日本に輸入されることない種。
ちなみにコンスピキュアス・エンゼルフィッシュ Chaetodontoplus conspicillatus Waite, 1900 なんかよりも遥かに高価だ。
しかもチョウチョウウオで。

つまりは、本気で飼育に自信がなければ購入することはできない魚だ。
これがまた大きさ
5.5cmくらいの極小個体!
普通に考えればマルセラバタフライフィッシュ Prognathodes marcellae が仮に輸入されたとしても、大きさは
10cm代なので、レア中のレアだと言うことがお分かり頂けると思う。
こんなのが普通に泳いでいる。
これを見て、僕もプログナトデス属Genus Prognathodes のチョウチョウウオを飼育したくなってしまった。
アヤバンクバタフライフィッシュ 
Prognathodes aya Jordan, 1886の事)の小さい奴でも探してみようか?
勿論、アヤも充分高価だが・・・。(´・ω・`)ショボーン
マルセラバタフライフィッシュ Prognathodes marcellae と一緒に仲良く泳いでいるのは
 ← シェブロンタン 
Ctenochaetus hawaiiensis Randall, 1955 (これも大きさ5cm位の極小個体)。
その他、チビハナダイ 
Plectranthias longimanus Weber,1913プレクトルアンティアス属の未記載種 Plectranthias sp.ブルースポットジョーフィッシュ Opistognathus rosenblatti Allen &Robertson, 1991 、ブラジルのイエローヘッドジョーフィッシュ Opistognathus aurifrons Jordan&Thompson, 1905ミゼットラス Pseudocheilinops ataenia Schultz, 1960キャンディーバスレット Liopropoma carmabi Randall, 1963ケーブバス Liopropoma mowbrayi Woods &Kanazawa, 1951 等が確認できた。
ケーブバス Liopropoma mowbrayi は照明焼けする種として知られるが、某氏によると照明が強過ぎるからか、岩組みの陰から陰へしか移動しないので焼けないそうだ。
これも
MT-25017効果か?(笑)
他にも、目視では確認できなかったが、ハシナガベラ類 
Wetmorella spp.ヨウジウオ類Subfamily Syngnathinae )が10匹くらいづつ居るそうだ。
勿論、
SPSの色揚がりは書くまでもないだろう。
レイアウト的には詰め込みレイアウトなのが少々残念だが、この辺は性格なので勘弁・・・と御本人が仰っていた。
それと、水槽背面部に珪藻や石灰藻のような藻類が一切付着していないことに気づいた。
これだけ奥行きがあると、さぞかし藻類の掃除が大変だろうな?と思い某氏に聞いてみると、なんと水槽背面部に藻類は全く生えないそうだ。
これもMT-25017効果だろうか?
あまりにも光が強過ぎると、藻類は育成できないから・・・。
勿論、この水槽の水質が格段に良いことも挙げられる。
チョウチョウウオが居るにも関わらず、給餌は殆どしないらしい。


で、この
SPS水槽よりも個人的に興味が行ったのがこちら。
 ← 右から
60cmキューブ55cmキューブ40cmキューブ30cmキューブと並んだキューブ水槽群。
これが凄い。
全てオーバーフローで、サンプ共用。
スキマー、リアクター、殺菌灯等、フル装備。
某氏と言うと
ハゼコレクターとして有名だが、殆どの水槽に劇美ハゼ類が群泳していた。
簡単にざっと紹介。

 ← 一番左側の30cmキューブ唯一のタンクメイト、
7cm位の極小サクラダイ Sacura margaritacea Hilgendorf, 1879
ここまで小さいのは珍しい。 勿論雌だが。(笑)
この水槽は、ウチウラタコアシサンゴ Rhizotrochus typus Milne-Edwards & Haime, 1848 イボヤギ類
Genus Tubastraea )が入っている。
サクラダイ Sacura margaritacea ウチウラタコアシサンゴ Rhizotrochus typus に食べられてしまわないのかな?と心配になったが、サクラダイ Sacura margaritacea くらい遊泳力が強いとウチウラタコアシサンゴ Rhizotrochus typus の触手に触れても自力で脱出できるそうだ。
勿論これがプセウドアンティアスGenus Pseudanthias )だったら、即食べられてしまうところだ。

 ← これは40cmキューブのタンクメイト、本物のペーダーソンシュリンプ Periclimenes pedersoni Chace, 1958
通常ショップで " ぺダーソンシュリンプ " として売られているホンカクレエビ属の1種 Periclimenes anthophilus Holthuis & Eibl-Eibesfeldt, 1964 とは尾の模様が全く違うのが解かるだろうか?
この辺を見分ける眼力もマニアならでは。
 ← こんなのも居ます。 バンデッドバスレット 
Lipogramma evides Robins & Colin, 1979
そう、カリブ海の水深
50m〜400m付近に棲む、リポグラマ属Genus Lipogramma )だ。
勿論、レア。 超高価。
 ← ミジンベニハゼ 
Lubricogobius exiguus Tanaka, 1915

可愛い!!
 ← モエギハゼ 
Tryssogobius colini Larson&Hoese, 2001
こちらもレア。 勿論超高価!!
やはりタイニーダートゴビー Tryssogobius longipes Larson &Hoese, 2001 とは輝きが全く違う!!
 ← オドリハゼ 
Lotilia graciliosa Klausewitz, 1960
ダンスは見ることが出来なかったが、やはり可愛い。
勿論、超レア。 超高価(ってこればっかだなぁ。)。
残念ながらダンスパートナーシュリンプ 
Alpheus rubromaculatus は居なかった。
この水槽、アワサンゴ 
Alvopora spp. 水槽アカメハゼ Bryaninops natans Larson, 1985 が数10匹居る。
他にも、超超超レア種、ピンクダートゴビー 
GOBIIDAE sp. も居るそうだが、残念ながら見ることは出来なかった。

そのお隣、55cmキューブ
こちらはオオバナサンゴ Trachyphyllia geaffroyi Audouin, 1826コハナガタサンゴ Cynarina lacrymalis Milne-Edwards & Haime, 1848 等の
LPS水槽でそれらのレアカラー物が沢山。
最上段には、ハナガササンゴ Goniopora lobata Milne-Edwards & Haime, 1860 のレッド、口盤イエローや、パープル、口盤ホワイトが状態良くキープされている。
某氏に聞くと、もう1年以上は維持していると言う。
このタイプは特に維持が難しいのだが、流石だ。
他には、クリアーグリーンが眩しいコエダナガレハナサンゴ Euphyllia divisa Veron & Pichon, 1980 も光っていた。
そんな中で飼育されている魚達。
 ← バイカラーバスレット 
Lipogramma klayi Randall ,1963
こちらも、カリブ海の水深
50m〜150m付近に生息する稀種のリポグラマ属Genus Lipogramma
元々某氏はこれらの小分け水槽群をリポグラマ属Genus Lipogrammaを飼育したいがために立ち上げて準備していたそうだ。
 ← タイニーダートゴビー 
Tryssogobius longipes
 ← イエローラインゴビー 
Vanderhorstia sp. 。
西部太平洋に生息するハゼ。
あまり流通しない。
 ← ドラクラシュリンプゴビー 
Stonogobiops dracula Polunin &Lubbock, 1977
こちらも流通は少ない。
他には小さなパープルファイヤーゴビー Nemateleotris helfrichi Randall & Allen 1973ネジリンボウ 
Stonogobiops xanthorhinica Hoese & Randall, 1982 のペアetc...etc...。
ちなみにこの水槽の照明はLEDを使用している。
だから、照明焼けを起こし易いパープルファイヤーゴビー Nemateleotris helfrichi も美しい色彩のまま維持できるようだ。

そして最後は60cmキューブの深場ミドリイシ水槽。
深場ミドリイシのみで構成された、マニアックな水槽。
こちらもハゼが沢山。
 ← ベニハゼ属の1種 
Trimma sp.
このハゼ、初めて見た。
 ← ブラックベリーゴビー Trimma sp.
その他、レッドスポテッドピグミーゴビー Trimma rubromaculatus Allen & Munday, 1995 等のベニハゼ類Genus Trimma )を始め、ネオンピグミーゴビー 
Eviota pellucida Larson, 1976 等のイソハゼ類Genus Eviota )、マスクドゴビー Elacatinus punticulatus Ginsburg, 1938. タイガーゴビー Gobiosoma macrodon Beebe&Tee-Van,1928シャークノーズゴビー Gobiosoma evelynae Bohlke&Robins,1968グリーンバンデッドゴビー Gobiosoma multifasciatum Steindachner,1876カタリナゴビー Lythrypnus dalli Jordan & Evermann, 1896等のアメリカから輸入される種まで(種類は書き切れない。)、各種ハゼ類が沢山いて、水族館やショップよりも遥かに凄い。
1日中水槽を眺めていられるだろう。

一寸気づいたのだが、この某氏邸、これだけの水槽があるのにCentropyge が1匹も居ない。
これは一寸面白い。

とにかく良い物を見せて頂いた。
但し、人に水槽を見せるのは好きではないらしく、今後も見せるつもりもないそうだ。
僕らが最後の訪問者となるかも知れないことを書き加えて置く。