週刊ベルリン通信                              
 ■ 2006年1月29日号 (1月23日−1月29日)

 水槽のタンクメイトを選ぶ場合、無闇やたらに適当に魚を購入して来るアクアリストは居ないだろう。
大抵の方は、次に・・・或いはこの先、どんな魚を購入し、飼育しようかと考えるものだと思う。
その魚が入荷が少ない種だったり、金額が張る種だったりして中々購入できないでいたりするとしよう。
若しくは、大して興味が無い魚だったのにショップで眺めているうちに何となく飼育してみたくなったり。
そうするとイレギュラーが発生し易い。
所謂 "
衝動買い " って奴だ。
この " 衝動買い " って奴が厄介で、ついつい衝動買いしてしまった生体が、今後増えていくであろう予定タンクメイトに何等の害を為さなければ問題は無いのだが、不思議なもので障害が発生する事が多い。
あら、不思議。 ( ̄~ ̄;)
ウチの場合、前回のベルリン通信で書いたハギFamily Acanthuridae )達がその最たるもので、まぁ他にもイレギュラーはあったりする。
例えばウチの場合、インドカエルウオ Atrosalarias fuscus Ruppell, 1838 なんかもそうだ。
以前、水槽内の藻類に悩まされたことがあり、その対策として購入した。
どうせ直ぐに大きくなるのは解かっていたので、ショップで小さい個体を探して探して、ようやく
2〜3cmの極小個体を見つけ購入したのだが・・・半年も経たない内に7〜8cmになってしまった。 (>_<)
尤も、それからは然程成長していない気もするが・・・(それでも
10cmくらいはあるかも知れない)気づいてみれば、もう7〜8年飼育していると思う。
新参者には必ずチョッカイを出すし、死海文書タンクメイト計画に記されていない魚なので、出したいところではある。
今のところ、決定的な攻撃を目撃したこともないので、そのまま飼育しているが・・・。
他にも、マルチカラーエンゼルフィッシュ Centropyge multicolor Randall & Wass, 1974 などもイレギュラーだ。
確か、当時ココスピグミーエンゼルフィッシュ Centropyge joculator Smith-Vaniz & Randall, 1974 レスプレンデンス・ピグミーエンゼルフィッシュ Centropyge resplendens Lubbock & Sankey, 1975 の小さい個体を購入(今飼育している2匹がそうだ。)してしまい、当時飼育していた
Centropygeから虐められないように、3匹同時に放流したのである。
だけれども、今後投入予定の魚を考えると、いずれは障害になることは確実だ。
今でさえ、複数居るCentropygeの中で一番威張っていて、傍若無人(魚?)ぶりを遺憾なく発揮しているのだ。

ちなみに、今後最終的に飼育したい魚種は、バンディッドエンゼルフィッシュ Apolemichthys arcuatus Gray, 1831 をペア化し、ホツマツア・ピグミーエンゼルフィッシュ Centropyge hotumatua Randall & Caldwell, 1973 のペア、そしてペリキエルズ・コーラルトラウト・・・オシャレハナダイ 
Plectranthias pelicieri Randall & Shimizu, 1994 (こちらもペアで入手できれば)・・・なのだが、いづれの種も現在では入手困難になってしまった魚ばかりだ。 (ノД`)

バンディッドエンゼルフィッシュ Apolemichthys arcuatus は、個体数が減少し深場に行かないと採取できなくなったからとか、海外のキーパーに人気が出た為日本に入荷しなくなったからとか、色々言われている。
一番有力なのは、イラク戦争の影響だと言う説らしい。
バンディッドエンゼルフィッシュ Apolemichthys arcuatus はほぼハワイ固有種なのだが、実は真珠湾周辺に多く生息しているそうだ。
イラク戦争で、真珠湾に軍艦が常駐するようになった為、採取に潜れないと言う話が伝わって来ている。
去年僅かに日本に来た個体も、何故か台湾や香港経由で輸入されたもののようだ。
それでイマイチ状態が悪かったり、小さめの個体は台湾や香港で抜くので大きな個体しか来ないとか、色々事情があるようだ。

ホツマツア・ピグミーエンゼルフィッシュ Centropyge hotumatua は御存知の通りイースター島周辺の固有種だ。
一昨年、イースター島が世界遺産に指定され、やはり採取に潜る事ができなくなったらしい。
但し、こちらは現在  で養殖に挑戦中なようなので、そのうちに  で購入できるようになるだろう。
尤も、具体的な時期は未定だが・・・。
ウチの場合、今後ホツマツア・ピグミーエンゼルフィッシュ Centropyge hotumatua が入荷し、無事購入できた時には、確実にマルチカラーエンゼルフィッシュ Centropyge multicolor はその障害になるだろう・・・。(´・ω・`)ショボーン

オシャレハナダイ Plectranthias pelicieri はモーリシャスからの直行便が無くなったため、モーリシャス便が殆ど日本に来なくなった。
年に1、2回程度は来るようだが、オシャレハナダイ Plectranthias pelicieri を欲しがっているキーパーが多いので、まず入手出来ないと思って良い。
上記3種に限っては、あくまでいつかはって感じなので長期展望で居る。

昔よりも遥かに入手性が悪くなった魚が多い昨今、ゴールデンストライプドアンティアス Pseudanthias aurulentus Randall & McCosker, 1982 もそのうちの
1種だと言えるだろう。
偶々去年の秋に1匹だけ入手できたのだが、ここ数年全く見かけなくなってしまった魚だ。
クリスマス島とファニング島の固有種なので、クリスマス島からハワイ経由の航空便が廃線になった影響はあるのだろうが、それでもクリスマス島産のフレームエンゼルフィッシュ 
Centropyge loricula Gunter, 1874 はしっかりマーシャル経由で入荷しているし、ゴールドフレークエンゼルフィッシュ Apolemichthys xanthopunctatus Burgess, 1973グリフィスエンゼルフィッシュ Apolemichthys griffisi Carlson & Taylor, 1981 ですら僅かながら入荷しているのに・・・。
クリスマス島の水深
50m以深に生息しているからだからか、はたまたヤッコは売れ筋だが、ハナダイはリスクが大きいからだからか?
兎に角、何処のショップに聞いてみても、ここ
3〜4年、全く見ない、と言われてしまっていた。
そんな中、唯一例外だったのが  。
去年の11月の大阪遠征の際、
和田さんに何気にその話をすると、
「いや。ウチは年に何度か着てますよ。 数はそれほど多くないですけど。」
との、心強いお言葉!
そこで、期待して待っていたのだが、本当に来ました!!
勿論即購入。
今回の入荷は3匹のみだったようで、
H崎さんめぐ山氏と3人で1匹づつ購入することになった。
(結果的に諸事情により、H崎さんが2匹、僕が1匹、と言う事になったのだが・・・。)
早速受け取ったゴールデンストライプドアンティアス Pseudanthias aurulentus を水合わせし、水槽に放した。
(ケースに隔離はせず、放した。)
う〜ん・・・やっぱり綺麗だな、ゴールデンストライプドアンティアス Pseudanthias aurulentus は。
個人的には、プセウドアンティアス属
Genus Pseudanthias )の中では、ベントラリス Pseudanthias ventralis Rndall, 1979アサヒハナゴイ Pseudanthias flavoguttatus Katayama & Masuda, 1980 と並んで美しい魚ではないか?と思っている。
今回の個体は、体長
6cm程とやや小さい。
先住個体も購入時はこれくらいの大きさだったような気もするが、現在では
8cmくらいには成っている。
できれば、あと
5匹くらいは泳がせたいところだ。
綺麗だし、丈夫だし、文句の付けようが無い魚です。
1匹目の投入と、一寸時間が開いてるので、喧嘩して飛び出し・・・なんて事態だけは避けたい。
気を付けよう。
流石に、投入したばかりなので優雅に泳ぐ・・・ってな事はないが、馴れれば大丈夫だと思う。
馴れて
2匹並んで泳ぐようにでもなれば、改めて写真撮影するつもり。

今回、同時にもう1匹  で魚を購入している。
 ← ロージースケールフェアリーラス 
Cirrhilabrus rubrisquamis Randall & Emery, 1983 だ。
マリンアクアリスト誌等では " パープルフェアリーラス " の名で通っているイトヒキベラGenus Cirrhilabrus だが、英名では "
Rosy-scales Fairy-Wrasse "と呼ばれる。
その名の通り、頭部付近の " 鱗が薔薇色 " に縁取られている魚だ。
上の方に白いラインが残っているし、体側前半分の赤い色彩がまだ弱いので、半成熟の雄である。
フーデッドフェアリーラス Cirrhilabrus sp. ペアが居なくなってしまったので、今のウチの水槽で2匹目のイトヒキベラGenus Cirrhilabrus だ。
投入して、最初の10分はローンボイドフェアリーラス Cirrhilabrus rhomboidalis Randall, 1988 が激しく追い掛け回していたのでどうなる事かと思ったが、やがて折り合いが付いたようだ。
(正直言ってイトヒキベラGenus Cirrhilabrus の中でもローンボイドフェアリーラス Cirrhilabrus rhomboidalis は温和な方なので、少々なめていた。)
あと2〜3種のイトヒキベラGenus Cirrhilabrus を入れたいなぁと思っているが・・・イトヒキベラGenus Cirrhilabrus )の同種同属の混泳難易度はCentropygeと同等なので、様子を見ながら行うしかないだろう。
一寸違うのはCentropygeが殆ど飛び出し事故を起こさないのに対して、イトヒキベラGenus Cirrhilabrusはバンバン飛び出し事故を起こす・・・と言うところか。(´・ω・`)ショボーン
ベラ類
Family Labridae )は元々飛び出し事故を起こし易い上に、同種同属で争えば、事故の確率が格段に上げってしまう点は覚えておかなければならない。

基本的に、僕はペアとか群れが好きだ。
色々な種の魚が泳いでいるよりも、種類は限定して、ペアばかり泳がせたいクチなのだ。
 ← 現在、ウチの水槽唯一のペア。
そう、キャンディーバスレット Liopropoma carmabi Randall, 1963 のペアだ。
ハナスズキ属
Genus Liopropoma )と言うのは、通常喧嘩が物凄いので、同種同属の混泳が出来ない。
ペアであれば、複数飼育可能なのだが、大抵ペアにはならず、喧嘩してどちらかが死んでしまう。
そんな中、このキャンディーバスレット Liopropoma carmabiだけは、小さめの個体を2匹入れれば喧嘩せずにペアになるのだ。
それどころか、ペアが形成される前だったら、もっと沢山のキャンディーバスレット Liopropoma carmabi を入れても問題ないようだ。(去年ウチの水槽でペア形成されているところに2匹追加したら、酷い目に遭ったが・・・。)
本当に簡単にペアが作れるし、ペアで寄り添って泳ぐ姿は微笑ましい。
友人では  
てっちゃんだけがその微笑んでしまう光景を知っているのだが、他の人には解かって貰えないのが残念だ。
(勿論、世の中にはペアどころかもっと複数のキャンディーバスレット Liopropoma carmabi を飼育されている方は沢山居るでしょうが・・・。)
機会があれば、是非チャレンジしてみて欲しいと思う。