週刊ベルリン通信                              
 ■ 2006年1月22日号 (1月16日−1月22日)

 以前から、ウチのナンヨウハギ Paracanthurus hepatus Linnaeus, 1766 が悪い奴なのは薄っすら気づいていたのだが、流石に我慢の限界だ。
先週の日曜に購入して来たばかりのローンボイドフェアリーラス Cirrhilabrus rhomboidalis Randall, 1988 が、水槽投入30分も経たない内にFRISKのCM宜しく目の前を飛んで行くのを目撃してしまっては、幾ら何でも我慢の限界と言うものである。
大体、このナンヨウハギ Paracanthurus hepatus には去年散々ベントラリス Pseudanthias ventralis Rndall, 1979 達を殺されているのだが、その頃はベントラリス Pseudanthias ventralis を飼育すると言う行為に心が折れてしまっていたのでどうでも良くなってしまっていた。
何せ、ベントラリス Pseudanthias ventralis の飼育に、あまりにも失敗を繰り返し、精神的に参ってしまってたから。
(無論、金銭的にもそれほど続くものではないし。)
最近、コーラルフィッシュ誌の4号、 
雪風さんが書いている混泳に関する記事を読み返すと
ハギ類とベントラリスとの混泳成功率は10%以下だと書いてある。(´・ω・`)ショボーン
あ、あのぉ〜・・・何度も入れちゃってるんですけどぉ・・・。 ゞ(^▽^;)
先にしっかり読んでおけば・・・ちうか、もっと早く記事にしてくれ。
更に先週、雌、雄と立て続けにフーデッドフェアリーラス Cirrhilabrus sp. が飛び出し、干物になってしまっている。
以前からナンヨウハギ Paracanthurus hepatus が激しくフーデッドフェアリーラス Cirrhilabrus sp. を追いかけている現場を何度も目撃しているので、この飛び出し事故も十中八九ナンヨウハギ Paracanthurus hepatus の仕業だと考えて良いだろう。
大切に飼育していたフーデッドフェアリーラス Cirrhilabrus sp. を殺されて、黙っている訳にもいかない。

元々、ここ数年はハギ類
Family Acanthuridae
)の飼育なぞして無かったのだが、去年の春先に水槽のフルリセットをした際、新規導入したLRからハネモ Bryopsis plumosa HudsonC. Agardh, 1823 等の藻類がBloomしてしまい、その藻類対策としてパープルタン Zebrasoma xanthurum Blyth, 1852 を入れたのが始まり。
久々に入れたパープルタン Zebrasoma xanthurum は思いの他綺麗だったし、Centropyge達とも争うことが無かった。
暫らく後に、ウチの長女がファインディングニモの影響でナンヨウハギ Paracanthurus hepatus がお気に入りになってしまい、ショップへ行く度に「ドリーだ!ドリーだ!!」騒ぐので、ついつい御機嫌取りで水槽導入してしまった。
勿論ナンヨウハギ Paracanthurus hepatus の成長の早さは昔飼育していた頃にたっぷり経験しているので、10円玉サイズの個体を購入したのだが、4ヶ月程7cmくらいに大きさに成ってしまった。 (>_<)
小さい内はそうでもなかったが、成長するにつれナンヨウハギ Paracanthurus hepatus の性格の悪さは目に余るようになり、ハギ特有の尾鰭付け根の棘を使った喧嘩をパープルタン Zebrasoma xanthurum と繰り広げるようになってきた。
仕舞いには、先に書いたようにハナダイSubfamily Anthiinae
)やらイトヒキベラGenus Cirrhilabrus )を虐め殺すようになった。
最近では、ココスピグミーエンゼルフィッシュ Centropyge joculator Smith-Vaniz & Randall, 1974シマヤッコ Paracentropyge multifasciatus Smith & Radcliffe, 1911 をも追い掛け回している。
万一、今や極端に入手しづらくなってしまったゴールデンストライプドアンティアス Pseudanthias aurulentus Randall & McCosker, 1982
が虐め殺されでもしたら気が狂ってしまうやも知れぬ。
ウチの水槽のコンセプトは、
SPS満載の水槽に大型ヤッコCentropyge達を主役として泳がせ、その周りをハナダイSubfamily Anthiinae )やイトヒキベラGenus Cirrhilabrus )が群れを成す・・・と言うものなので、ハギFamily Acanthuridae )はテーマから外れた生体であると言える。
心の中で呟いた。



とりあえず、現在ウチの水槽で最も
であるところのナンヨウハギ Paracanthurus hepatus の確保を最優先とし、出来ればパープルタン Zebrasoma xanthurum をも捕獲し、水槽から退去して頂くことにする。

ハギ類Family Acanthuridae は、基本的に夜間は自分の尾鰭の棘や各鰭を目一杯広げてミドリイシ類
Genus Acropora ) やLRの隙間に挟まって眠る。
勿論、ウチのハギ達も例外では無い。
幸い、ウチのハギ達の寝床は解かっている。
ナンヨウハギ Paracanthurus hepatus は水槽左側のスギノキミドリイシ Acropora formosa Dana, 1846 の枝間で眠っている。
パープルタン Zebrasoma xanthurum は、その根元辺り。
なので、寝込みを襲えば、簡単に捕まるだろう。
そこで、夜PM12:30頃、水槽及び部屋の照明を落とし、小1時間じっと待つ。
AM2:00頃・・・そろそろ魚達も完全に眠っただろう。
部屋の電気のみ点灯し、作戦開始。
しめしめ。
案の定ナンヨウハギ Paracanthurus hepatus はいつものスギノキミドリイシ Acropora formosa の枝間で眠っている。
網を用意し、捕獲を試みる。
スギノキミドリイシ Acropora formosa ごとビニール袋を被せてしまい、追い出せば確実に捕まるだろうな・・・と思ったが、相手は寝ぼけているので、簡単に捕まりそうだ。
手でも捕まるかな?と指で摘もうとすると、スルリと逃げ出す。
しくじった!!
LRの裏側に逃げてしまった。
尾鰭は出ているのだが、どうにも捕まりそうにない。
作戦は完全に失敗だ。

翌日。
マリンアクア界の重鎮  雪風さんに相談すると、良い案を出して下さった。
それは、寝込みを襲い、ピンセットで摘んでしまうと言う大胆な作戦だった。
これで失敗したら、後は " 釣り " くらいしか無いだろう。
" 釣り " でも良いのだが、どう考えてもキャンディーバスレット Liopropoma carmabi Randall, 1963ローンボイドフェアリーラス Cirrhilabrus rhomboidalis の方が先に釣れてしまうだろう。
やはり、 " 釣り " は最後の手段にしたいところだ。

前日同様、照明全てを落とす。
やはり1時間半くらいはこのままが良いだろう。
眠くなっては困るので、PCの電源を入れ、ネットサーフィンに興じる。

電気を点灯。
昨日の今日なので、流石にナンヨウハギ Paracanthurus hepatus は警戒してしまい、いつもの寝床には居ない。
とりあえずパープルタン Zebrasoma xanthurum の捕獲を試みた。
尻尾を摘もうとするが失敗。
一気に胴体ごとピンセットで摘んでみる。
なんと呆気ないことか!!
簡単にピンセットで摘めてしまった。
そのままコハナガタNano水槽に投入。
移動する際も、眠っているからか、身体をビチビチさせたのは1度きりだった。
次は、問題のナンヨウハギ Paracanthurus hepatus だ。
昨晩捕獲に失敗した後、逃げ込んだLR辺りに居るだろうと推測し、その辺りの岩組みを崩し、スギノキミドリイシ Acropora formosa を取り出した。
5分ほどで使徒を目視で確認することができた。

早く捕まえねば・・・。
電気を点けてから、それなりに時間が経っているし、これで失敗したら益々警戒心を増し、いよいよ捕獲できなくなるだろう。
ピンセットで5〜6回摘んでは逃がしを繰り返すものの、無事確保できた。
あな素晴らしきかな、ピンセット作戦。
そんな大胆な作戦を考え付く  雪風さんは本当に凄い。
正にマリンアクアリウム界の ネ申 だ!!
ちなみに、ピンセット作戦が有効なのはハギ類だけだそうだ。
ハギ類は鱗がザラザラしていて、身体の粘膜があまり無いのでピンセットで摘んでも脱げられてしまうことがない。
また、先にも書いたがLR等の間に挟まって眠るので捕獲しやすい。
身体も平べったく、体高もあるので、これまたピンセットで摘み易いのだ。
ハギ類で苦労している皆さんは、是非お試しあれ。
ちなみに現在